このページでは、モルトウイスキーの製造方法について解説しています。
今回は、5工程目の熟成について詳しく解説していきます。
ここまでの記事はこちらから↓
モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程① 製麦~
モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程② 糖化~
モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程③ 発酵~
モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程④ 蒸留~
おさらい:ウイスキーの製造工程は大きく6つ!
ここまでのおさらいを簡単にすると、ウイスキーの製法は以下の6つに分かれていました。

今回は5番目の「熟成」について解説していきます。
蒸留したてのニューポット(蒸留液)は無色透明で、度数も高く刺激の強いものです。
これを樽で熟成することで、琥珀色のまろやかで深みのあるウイスキーへと変化します。
樽熟成のメカニズム
長期間寝かせることで、蒸留直後の不快な香味成分がなくなり、まろやかさが増す
また、樽由来の香味成分である、バニリン、タンニン、などのポリフェノールや色素成分が溶け出す
樽の材質オーク
ウイスキーを熟成する樽には「オーク」がよく使われます。
オークのなかでも、アメリカンホワイトオークやコモンオーク、セシルオーク、日本固有のミズナラなどといった種類があります。
新しい樽で熟成されることは少なく、バーボン樽(アメリカンウイスキーの空き樽)やシェリー樽(シェリーを詰めた後の樽)で熟成されることが多いです
樽の大きさ
樽の容量が小さいと原酒と樽の接触面積が大きくなるため、樽の影響が大きくなります。
逆に容量が大きい樽は、樽自体の影響が小さく、ゆっくり熟成するのに適している
バレル(180~200L):バーボン樽は基本この大きさ
ホグスヘッド(250L):バレルを解体し、太くして組みなおした樽
パンチョン(480~500L):ビールやラム酒に使われた、大型の樽
バット(480~500L):シェリーに多く使われる樽。
熟成のあとに行うこと
ヴァッティング
熟成を終えた原酒はそれぞれの樽ごとに、仕上がりが異なるので、品質を均一にするためにヴァッティングという作業を行います。
「シングルモルト」とは同じ蒸留所内で作られた、別々の樽のモルト原酒をヴァッティングしたものです。
後熟(マリッジ)
原酒をヴァッティングしたのちに、再び数か月から数年ほど、樽で熟成させる場合があります。これを「後熟(マリッジ)」といいます。
必ずしもすべてのウイスキーで後熟をするわけではないですが、後熟をすることでさらに味わいを調節していく場合があります。
まとめ
今回はウイスキーの製法のうちの5番目の工程である、「熟成」についてまとめました。
熟成は蒸留されたばかりのニューポットを樽に詰めて保存することで、ウイスキー特有の甘さや色合いなどを作っていく工程でした。
次回は最後の工程である「瓶詰め」についてまとめていきます。
続きはこちらから↓
モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程⑥ 瓶詰め~
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