「普段飲んでいるウイスキーってどうやって造られているんだろうか?」
「ウイスキーの製法が複雑でよくわからない!」
このページでは、そんな人に向けて、ウイスキーの中でも、モルトウイスキーの製法について、簡単な流れを解説していきます。
6回に分けて、詳しく丁寧にウイスキーの製法を解説していきます!
気になった方はぜひ最後まで見てみて下さい!
モルトウイスキーの他にも、グレーンウイスキーやブレンデッドウイスキーなどの種類が存在します。
それぞれの違いについて解説した記事も以前書いています。こちらもぜひ読んでみて下さい!
ウイスキーの分類について解説!モルト、グレーン、ブレンデッドの違いとは?
ウイスキーの製造工程は大きく6つ!
モルトウイスキーの製造過程は大きく以下の6工程に分けられます。

この六つの工程を経て、私たちが普段飲んでいるウイスキーが造られます。
今回の記事では最初の工程である、①製麦(せいばく)(=モルディング)についてまとめました。
大まかな製麦の流れ
最初の工程である製麦ですが、以下のような工程を経ます。

こうしてみると、製麦だけでも工程盛りだくさんですね。
簡単に説明すると、「収穫した大麦を軽く発芽させて、乾燥させる」といった形です。
そして、製麦が終わると、麦芽(モルト)と呼ばれる状態になります。
この後、モルトから麦汁を作り、酵素を使ってアルコール発酵させていきますが、それは次回以降の記事で説明していきます。
以下では最初の工程「製麦」のそれぞれの工程に焦点を当てて解説していきます!

収穫~保管
そもそも原料となる大麦は…
・二条大麦
・六条大麦
この二種類があります。
ちなみにこの二つの違いは、実のつき方の違いです。
二条大麦は一つの軸に二つの実が、六条大麦は一つの軸に六つの実がつきます。

多くのウイスキーでは二条大麦を原料に使用しています。これは、粒が大きくアルコールの元となるでんぷんを多く含んでいるためです。
収穫した大麦はすぐには発芽しないので、乾燥させたのち1~2か月ほど保管しておきます。
保管したのち、大きさによって2~3グループに分けます。
これは、この後の工程で、水の吸収や発芽の仕方を均一にするためです。
浸麦(しんばく)
大きさでグループ分けした大麦を、「スティープ」と呼ばれる浸麦槽で仕込み水に浸します。
数時間ごとに水を抜いて空気に触れさせたのち、また水に浸すという作業を繰り返し行います。
これを2~3日繰り返すことで、大麦の含水率が上がり、発芽の準備が整います。
発芽
発芽の準備が整った大麦を発芽室へと移し、高湿度・低温(15℃前後)の環境下で、攪拌し空気を送り込みます。
かつては、床に大麦を敷き詰め、シャベルを使って攪拌する「フロアモルディング」を行っていました。現在では機械で自動的に行うのが主流となっています。
約1週間ほどかけて発芽を促し、ある程度の長さ発芽が完了したら、乾燥させて発芽の進行を止めます。
乾燥
発芽の進行を止め保存性を高めるために、熱源に当てて麦芽を乾燥させます。
この時にピートと呼ばれるものを熱源として使用すると、スコッチウイスキーに特有なスモーキーな香りがつきます。

乾燥させた後、麦芽が再び水を吸収するのを防ぐために、根っこを取り除きます。
これで製麦の工程は終了で、次の工程「糖化」へと移っていきます。
まとめ
今回の記事では、ウイスキーの製法の中でも一番初めの製麦についてまとめました。
この次は完成した麦芽から麦汁を作り、アルコール発酵させるための準備の工程(糖化)となります。
続きはこちらから↓
モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程② 糖化~
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