「ジャパニーズウイスキーは何故こんなに高騰しているのか?」「ジャパニーズウイスキーの人気の理由は何なのか?」このような疑問を持っている人に対して記事を書きました。
今回はジャパニーズウイスキーの人気や、高騰、品薄の理由について時代を追って解説します。
気になった方はぜひ最後まで読んでいってください。
90年代ウイスキー人気低迷期
戦後・高度経済成長期の中でウイスキーの消費量は右肩上がりに増加していきました。1980年代初頭にはウイスキーは「日本の国民酒」と呼ばれるほどまで人気になりました。
しかし、1983年をピークに国民のウイスキー消費量は減少傾向ななってしまいました。また、90年代にバブル経済が崩壊します。不景気の時代に入り、ウイスキーの人気低下に拍車がかかり、20世紀末ごろにはピーク時の3割ほどの消費量になってしました。
その後、2010年前後まで、ウイスキーの人気低迷期は続きました。この時期までの極端な需要不足により、日本の多くの蒸留所はウイスキー原酒の供給を減らしていました。このことも現在の原酒不足の一つの原因になってしまいました。

2010年代のウイスキーブーム
2010年前後から、サントリーはウイスキーやハイボールの販売に力を入れ始めたことにより、徐々にウイスキーの需要が高まってきました。サントリー角瓶のCMソング「ウイスキーが、お好きでしょ」は2007年ごろから現在まで使用されており、このころからウイスキーに力を入れ始めたことが分かります。
また、2014年にはNHKの連続テレビ小説「マッサン」の放送が開始しました。これにより、一気にジャパニーズウイスキーの人気が高まり、需要も高まりました。老若男女多くの人々が、ウイスキーを楽しむようになりました。
ジャパニーズウイスキーの世界的評価の向上
数々のジャパニーズウイスキーが世界のウイスキー賞を受賞

2000年代になるとサントリーやニッカなどのウイスキーが世界的に権威のあるウイスキーの賞であるワールド・ウイスキー・アワード(WWA)やインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)などで受賞するようになりました。
近年ではサントリーやニッカなどの最大手メーカーだけでなく、本坊酒造や松井酒造、「イチローズモルト」で有名なベンチャーウイスキーなどといったメーカーのウイスキーも受賞しています。
2022年のWWAでは、笹の川酒造の「YAMAZAKURA BLENDED MALT JAPANESE WHISKY 安積 SHERRY WOOD RESERVE」が世界最高のブレンデッドモルトウイスキーに、厚岸蒸留所の「厚岸BLENDED JAPANESE WHISKY 処暑」が世界最高のブレンデッドウイスキーに選ばれました。
国際的な賞での受賞をきっかけに、海外のウイスキーファンの間でもジャパニーズウイスキーの人気が高まっていきました。このような、世界的評価の高まりもジャパニーズウイスキーの需要の増加につながっていると考えられます。
海外人気に伴う日本のウイスキー輸出量の増加
海外での人気を受け、日本のウイスキーの輸出額は年々増加してきており、2020年には約270億円まで増加しました。

ここ数年でも二倍近く輸出額は増加していることが統計からも分かります。海外からの人気は依然として高く、今後もこの傾向は続いていくのではないかと考えられます。
ウイスキー原酒の供給不足
急激な需要の増加に供給が追い付かない
このようなジャパニーズウイスキーの需要の高まりに対して、日本国内での蒸留所ではウイスキーの原酒が不足してしまうという事態になってしまいました。
ウイスキーの原酒はモルトウイスキーを製造する場合、長期間の熟成が必要となります。急激な需要の増加に追いつかないというのも、現在の品薄状態の原因となっています。
現在の供給不足のなかで、より製造期間の短いノンエイジのウイスキーは、多く製造されるようになり、価格高騰も熟成期間の長いものに比べマイルドになっていて、比較的手が出しやすくなってきてはいます。
熟成期間の長いものは大量生産が難しい

熟成期間の長いウイスキーは、熟成に時間を要することや、熟成場所やコストの問題も関係し、一般的に大量生産することは難しいです。一度に作れる本数に限りがあるため、それだけ希少価値が上がります。
また、限定品や終売になるウイスキーの希少価値はさらに上昇します。これを見越して、投資や転売目的にウイスキーを買うといった人も近年の高騰を受けて増えており、さらなる需要の増加が現在の極端な高騰・品薄状態につながっています。
まとめ
今回はジャパニーズウイスキーがなぜ高騰し、人気なのかについて様々な視点から時代を追って解説しました。
メーカーの予期せぬ需要の高まりや、ウイスキーの製造期間の長さのため急激に供給を増やすことが難しく、需要はあるけど供給が少ない状態になってしまった。これが大きな原因の一つでした。
熟成期間の短いノンエイジ品は供給量のコントロールが比較的行いやすいので、高騰の程度はそこまで高くなく、手が出しやすいのではないでしょうか。ただ希少なウイスキーに関してはしばらくこの高騰状態が続くかもしれません。
それでは、今後もウイスキーを楽しんでいきましょう!
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