ウイスキーの製法 蒸留

モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程④ 蒸留~

このページでは、モルトウイスキーの製造方法について解説しています。

今回は、4工程目の「蒸留」について詳しく解説していきます。

ここまでの記事はこちらから↓

モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程① 製麦~

モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程② 糖化~

モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程③ 発酵~

おさらい:ウイスキーの製造工程は大きく6つ!

ここまでのおさらいを簡単にすると、ウイスキーの製法は以下の6つに分かれていました。

ウイスキーの製法
モルトウイスキー製造の流れ

今回は4番目の「蒸留」について解説していきます。

まず簡単に「蒸留」とは何かを説明すると…

蒸留とは?

・発酵させたもろみから、アルコールを分離する工程です

→アルコール度数は10%弱から60%以上に上昇

この工程を経ることで、度数の高いウイスキーが作られていきます。

どうしてアルコールだけ分離できるのか?

蒸留は、発酵で得られたもろみを、沸点の違いを利用して、アルコールだけを分離する工程です。

水とアルコールの沸点は以下ようになっています。

それぞれの沸点は?

水:100℃

アルコール:78.3℃

そのためもろみの温度を上げていくと、先にアルコールだけが気体になるのです!

アルコールを分離する蒸留器

蒸留器の種類は?

蒸留器には次の2種類があります。

蒸留器の種類は?

・単式蒸留器(ポットスチル)

・連続式蒸留器

単式蒸留器(ポットスチル)は、新たなもろみを作業の度に充填していくタイプの蒸留器です。

それに対して、連続式蒸留器はもろみを連続的に充填していくタイプの蒸留器です。

モルトウイスキーは主に、単式蒸留器(ポットスチル)を使用します

蒸留器の構造

蒸留器の構造
蒸留器のおおまかな構造

ポットスチルの形状やサイズは蒸留所によってさまざまですが、おおまかな構造はどれも同じです。

構造の名称と働き

①ポット:もろみを入れて加熱する部分

②ヘッド:蒸気のたまる部分

③ラインアーム:蒸気が伝わっていく部分

④コンデンサー:蒸気を再び液体に戻す部分

材質はほとんどがです。熱伝導に優れている、手に入りやすい、加工がしやすいといった理由から銅が多く使われています。

蒸留器の形状

ポットとヘッドの接合部の形状

ポットとヘッドの接合部の形状はストレート型・ランタン型・バルジ型の三種類あります。

一般的に、ストレート型で蒸留されたウイスキーは力強く重厚な味わいに、ランタン型やバルジ型ライトですっきりとした味わいになると言われています。

実際の蒸留の手順

蒸留の回数は2回行うのが基本となっています。

1回目の蒸留を「初留」2回目の蒸留を「再留」と呼びます。

1回目の蒸留「初留」について

初留では、もろみの中に含まれているアルコール分をすべて蒸発させて取り出します。

作業はおおよそ4~8時間ほど行われ、蒸留して出てきた液体のアルコール度数が1%になる地点で終了します。

初留が完了すると、アルコール度数が25%前後の初留液が完成します。

2回目の蒸留「再留」について

初留液を再留するポットスチルへと移し、再度蒸留していきます。

再留は、アルコール分や香味成分を濃縮することや、不要な香味成分を分離することが主な目的となっています。

蒸留した際に最初に流れ出るアルコール度数が高い部分や、最後の方に流れ出る部分を除いて、真ん中の部分のみを次の熟成へと回します。

最初や最後に蒸留された部分は、メタノールなどの不快成分が含まれているため、熟成には回しません。

以上で蒸留の工程が終了し、次の熟成の工程へと入っていきます。

まとめ

このページでは、ウイスキーの製造工程のうちの、「蒸留」についてまとめました。

「蒸留」をまとめると以下の通りでした。

蒸留とは?

・発酵させたもろみから、アルコールを分離する工程です

→アルコール度数は10%弱から60%以上に上昇

この後、熟成の工程へと移っていきます。

次回の記事はこちらから↓

モルトウイスキーの製法について分かりやすく解説!~工程⑤ 熟成~


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